今回は、先日開催したオンライン企画で驚きの屋外チューニングを披露してくれたボンちゃんこと、【Bon Numatta】です!
■ 「だじゃ研」には、いつぐらいから関わっていらっしゃいますか?
2015年7月くらいからです。
もともと東京都美術館と東京藝術大学が実施していた講座(「とびらプロジェクト」)に参加していて。そこでは美術館が活動の中心の場所だったけど、その一環で、吉祥寺エリアのアートプロジェクトに参加したとき、街の中の企画は楽しいなーと思って。その時は、三鷹を拠点にしたアートプロジェクトにも参加していたのですが、どちらも、いま住んでいるところから遠かったんです。そうして講座が終了したとき、千住で参加できるアートプロジェクトがあると聞いて。千住はそもそも自分の通っていた小学校、中学校があった場所でした。
電話で「楽器できなくてもいいですか?」と問い合わせしてみたわけ。たぶん、吉田さん (「音まち」現ディレクター)だったと思うんだけど、「では、だじゃ研の活動日に来てみてください」と言われました。日時と場所だけ教えてもらって、内容については何も(笑)。
最初の活動日の会場はたこテラス(当時の「音まち」活動拠点のひとつ)で、だじゃ研のメンバーの小日山さん、チャーリーさんとかがいて、なんか異様な雰囲気。鼓太郎君(「千住だじゃれ音楽祭」現スタッフ)がいたから、みんなにつないでくれたけれど、最初は「大丈夫かな」という感じだった。だって自分、全然楽器できないんだもん(笑)。
■ 音まちの他のプロジェクトにも参加されていますよね?
「千住タウンレーベル」は「聴き巡り千住」という企画がはじまった年から参加していて、 だじゃ研に入ったあとに参加し始めました。聴き巡りの時は「ボッタ」を作ったりしていました。千住では「もんじゃ」のことを「ボッタ」って言うんですよ。もともとは、駄菓子屋さんにある鉄板で子どもたちがつくって食べていたものですね。そうして、だじゃ研とクロスオーバーしてやっていました。
■ 特に想い出に残っているイベントはありますか?
「国歌プロジェクト」という企画を自分で立ち上げたことかな。会場にマイクを設置して、来場者の方にその場で国歌を歌ってもらうんです。タイからのゲストで音楽家のアナン・ナ ルコンさんが来たイベント「だじゃれ音楽研究大会」でもやったね。
もともと学生時代から英語があまり得意じゃなかったんだ。それが少し変わったのが、カナダでバスケットリーグを観戦していたとき。アメリカとカナダのチームがお互いに国家を歌うのだけど、やはりホームであるカナダの国歌が流れたときが盛り上がっていた。英語が完璧に分かるわけじゃなかったけど、感動したね。やっぱり、国歌はその国の象徴なんだな、と。そういうことを表したかったんです。
2017年に開催した「第2回だじゃれ音楽研究大会」では、好きな矢沢永吉に関わることがやりたくて、彼の名言集を発表しました。矢沢エーちゃん、70歳になってもかっこいいよね。僕もそうありたい。ぜひ、だじゃ研のイベントで呼んでください(笑)。
■ 今、オンラインで試していることがあれば教えてください。
ないね。リアルタイムでやると面倒臭い時もあるから、ちょっと寝かしといたほうがいい時もあると思っていて。「そんなオンラインでこわい顔されても」ということもあります。若い人はどうなのかな?仕事で15年前からビデオ会議をやっているけど、当時はお金がすごく掛かっていました。
あとは、オンラインではむしろ「その場にいなきゃいけない」よね。天気の良い日はあえて 公園でお弁当も食べたくなる。自分は仕事もあるので、わりと外に出ることも多かったから、午後まで家にいることはあまりなかったですね。「こんなに天気いいのに」って、ストレス溜まるくらい、外が好きなんですよ。
■ だじゃ研に思うこと/だじゃれ音楽祭とは?
だじゃ研、みんな楽器がうまいよね。だじゃ研に入って、誰かに影響されて楽器がうまくなるかなと期待していたんだけど、そんなことはなかった(笑)。だじゃ研は楽器ができるようになるっていうよりは、誰でも入れる場所かな。
「千住だじゃれ音楽祭」も「千住タウンレーベル」もそうだけど、イベントを発表する機会が定期的にあり、達成感がある。それがとても面白いです。
イベントでは、お客さんがいる中で演奏することが多いのだけど、こちらも本番まで何をやるのか分からない。そして、お客さんは演奏者よりもそれを思ってると思うよ。お客さんが「何が起きるか分からない」と思っているのが面白いよね。ほとんどのお客さんは、来た時と帰る時の顔が違いますよ。
「何が起こるか分からない」ゆえ、がっかりして帰る人もいたり、興奮する人もいたり。それを見るたびに非日常的な空間だったんだな、と実感しますよ。観る人が何を思ってもいい雰囲気がある。そう思うとなかなか懐が深いプロジェクトだよね。
「なーんだ、こんな感じか」と書かれたアンケートを見て、いつも「それはそう思うよな」って納得する。本当に何が起こるか、誰も分からないんだもの。でも、帰らずに最後まで観ていってくれたってことは、何かは届けられたんだとは思ったり。事務局は、僕らだじゃ研の人たちのことをよく気にしてくれて、そして僕たちはお客さんを気にしてっていう。僕、Bon Numattaは、人と人をつなげる場所をやろうとしているんだけど、そういう正直な感情が出ることで、人同士はつながっていくんだろうなーと思う。そういう意味で、だじゃ研は面白い。
演奏で自分が失敗しても、周りが自然にカバーしてくれたり。これは、ひとりでやることじゃない。いろんな人たちがいるし、だじゃ研の集まりは僕にとって非日常的な感じですよね。
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千住だじゃれ音楽祭を通じて千住の土地に再び足を踏み入れたお話しが印象深かったです。
音まち千住の縁の他のプロジェクトにも積極的に参加しているBonちゃんの活躍が楽しみです!
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