今回は、2020年5月31日(日)に開催したオンライン企画「第4回 だじゃれ音楽研究大会」で司会&研究発表と大活躍だった【りいとくん】です!だじゃ研メンバーとの衝撃の出会いなど、様々なエピソードを交えたお話となりました。
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■ だじゃ研には、いつぐらいから関わっていますか?
去年の9月、10月くらいなので、「千住の1010人 in 2020年」のプレイベントで、インドネシアから音楽家のメメットさんを呼んだ少し前からです。 学部1年生の時、芸大の大学院が主催する公開講座に参加して、「音まち」のプロデューサーである熊倉先生と知り合いになり、文化政策にも興味が湧きました。その後も、ほかの講座にちょくちょく参加していたら、熊倉先生からこたさん(「千住だじゃれ音楽祭」現スタッフ)につないでもらい、「まずだじゃ研に入ってみたらと?」いうことで、「だじゃ研」の活動日に参加することになりました。
最初の活動日、「だじゃ研とは?」という詳しい説明もないまま参加したら…まあまあカオスな感じで(笑)。後ほどこたさんから「あえて何も知らないまま入った方がいいと思ったから」というお話がありましたが、最初は戸惑いました(笑)。 初日は、本当に日程だけ知らされて参加した感じです。参加者みんなで椅子を並べて、メメットさんの曲を練習していました。本番間際なのに「今からメメットに新しい曲頼もうか」って野村さんが言っていて、「え!今からできるの?」と驚いた記憶があります。 自分は今までクラシックしかやってこなかったから、というのもあると思いますが、その日の練習の最後に演奏した『ボロボロボレロ』を聴いて、僕が知っている『ボレロ』とは全く違うと感じました(笑)。いまは違和感はないのですが、最初は「これがお、音楽?そうか… 」と、もともと持っていた「音楽」の世界を壊された感じでした。曲として成立してないんじゃ?と思っていたけど、なんか大丈夫になりましたね。
■ クラシックの奏者とは思えないだじゃ研への順応の早さでしたが、かなり戸惑いもあったのですね。
自分のまわりにも「クラシックの考えは堅い」という意見もあったりしたので、だじゃ研の 奏でる音に対してそんなに拒否反応が出ることはなかったです。だじゃれ音楽をだじゃ研で演奏する上で難しいこともあんまりないですね。楽譜がなくても、なんでも許容されていて、間違えても何も言われない。そもそも自分は、クラシックでもパーフェクトに弾くことを重視する奏者じゃないので、だじゃ研の自由さは素直に受け入れることができました。 小学校の時にはAKBをYouTubeとかで見てみていたし、中学時代はバンドブームがあったり、ジャズも家にCDがあったので聴いていた。そういう意味では、クラシックより他のジャンルの音楽を聴く機会の方が多かったかもしれません。クラシック以外にもポップスやジャズにも触れていたので、そうした即興への免疫はあったほうだと思います。
■ だじゃ研の最初の印象
だじゃ研のみなさんは、ひとりひとりの個性が強くて、一言ではまとめられないのですが… 自己紹介の時、「一歩、二歩、三歩、しほです。」って言っていたメンバーが印象的でした (笑)。いい意味でタガが外れている人たちだと思います。皆さん、だじゃ研へそんな瞬間を望んで来ているのかな、と思います。 活動がどう機能しているか、という点においてもだじゃ研に興味があるので、ちょっと一歩下がって活動自体を見ているかもしれません。「千住の1010人」の三区企画発表会で《ボロボロボレロ》を演奏した時、大半の人は原曲はどこかで聴いたことある、なんとなくメロディーは知っているという感じで。それに対して、自分はボレロがどういったリズムで、どういった曲か、それをよく知っている前提で、あえてどう「ボロボロ」にするかという解釈をしながら演奏していました。だから、野村さんが「はい!ここでメロディー弾いて!」とおっしゃったときに、ボロボロすぎてメロディーが出てこないこともあったり(笑)。 その時は、ただ単音を弾くだけの状態になったりしますが、ボレロをよく知らないからこそできることもあるということに気が付きました。ルールもないまま発射して、ボロボロにしてアウトプットするところが面白いと思います。
■ あなたにとってだじゃ研とは?
だじゃ研には、社会にはない懐の深さがありますね。何をしても許される感はあります。 大学生活とか、人間関係とか、音楽のことで色々悩んでいても、だじゃ研の活動へ行くと、パッと忘れられる。そこにはいい意味で世界の秩序、ルールとかなくて。自分のリミッターを外せる空間です。
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現役藝大生でもあるりいとくん、ご自身の音楽的バックグランドからだじゃれ音楽の見解など、盛りだくさんのインタビューでした。ありがとうございました!
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