今回はだじゃ研古参メンバーの1人、加藤チャーリー千晴さんへのインタビューです。だじゃ研内でも群を抜くだじゃれメーカーのチャーリーさん。ご自身の活動やだじゃれに対する思いについてお話を伺いました。
◆インタビューをはじめる前に、体調を崩されていたようですが、最近はいかがですか。
体調はもう大丈夫(たいちょうぶ)です。
◆さすがですね(笑)。早速質問に入ります。だじゃ研には、いつ頃から関わっていますか。
「だじゃれソングワークショップ※1」(2011年)を藝大でやるということで、これはオレ向きだろうな、と思いました。当時からだじゃれは好きで、みんな止めろと言うけど、面白いからやっていました(笑っている人もいますし!)。何をやるのかな、と思いつつも行ってみたら、『風呂フェッショナルなコンサート』(2012年)のテーマ曲をつくりましょう、ということになり。そうして野村誠ふろデュース『風呂フェッショナルなコンサート』にも参加しました。(母校の)国立音楽大学でチラシを貼っていたら、警備の方にいきなり「(だじゃれが)上手いですね!」と言われたのは面白かったですね。
◆だじゃ研の活動に参加してみていかがでしたか?
そうだな。「だ」って書いてある石鹸、「だ石鹸」があるんですよね。それを「だ」の形に並べて写真を撮ったりとか。あと、『千住の先住民※2』って歌があるじゃないですか。それをつくるためにまち歩き(「千住だじゃれウォーキング」)をしたんですけど、エスカレートしちゃってかなりの数のだじゃれをつくってしまいました。曲のなかに僕のつくっただじゃれが3つぐらいあるんですよ。「ぜんじぞう(地蔵)洗濯機」と、あと社務所に入ったときにとっさにできた「冬はしゃむしょー(社務所)だね」と。こういうふうにやっていいのかって。
◆長年だじゃ研に関わっていると思いますが、初期のだじゃ研と最近のだじゃ研で印象の変化はありますか。
メンバーが大きく変わったっていうのと、 最近は皆さんあまりだじゃれに反応しなくなったっていうか。 昔は遅れて笑ってくれる人がいたけど、でもその反応もなくなっちゃうじゃん。
最近自分がやりたいのはこれじゃないかっていう人を見つけたんですよ。井上順というザ・スパイダースの歌手で、その人はツイートにいろいろ書いてる人なんですね、ネタを。それがすごくね、自分がやりたいのこれじゃないか!って。例えば「風邪引くの嫌だから、“予想”が外れたらプレーは“よそう(予想)”」とか、「100年も変わらず訪れる多くの皆さんに荘厳な雰囲気&“気”を与えている明治神宮。“記事”を見て寄って下されば、正きじ(正直)嬉しい」とか。なんかだじゃれの原点を見たような気がして、ちょっとこれに近づこうかなーと。別にウケなくても、聞き流すだけでもいいみたいな。
◆チャーリーさんご自身について、改めて教えてください。
大学時代は国立音楽大学に通っていました。入学当初は、ジョン・ケージをよく聞いてました。それで大学2年生のときに、時代が逆行してしまいますが新古典派の音楽を聞くようになりました。大学の専攻がリトミック専攻だったんですけど、クラスの中には音楽に限らずいろんな人がいました。ダンスやってる人や、作詞作曲やってる人とか。それもあって、学生時代からいろんなジャンルの人といろいろ実験しながら遊んでいました。
◆卒業後はどんな活動をされていましたか?
卒業したあと、演劇関係の人と偶然出会って。「今度音楽やらないか?」って誘われて、いろんな企画に参加するようになりました。それで、即興演奏のワークショップに参加したことがあるんだけど、そのときにピアノの演奏と一緒だと気持ちよく踊れるってダンサーとも知り合って。その人が出演するライブに行くと、その場でピアノ弾いてくれって言われたり(笑)。そんな感じで、多いときは毎月4〜5本程度の企画に携わってましたね。
◆だじゃ研以外のいろんな音楽の集まりにも参加されていますが、なにか違いはありますか?
全然違いますね(笑)。ほかの集まりだとなんかあんまりだじゃれを言えない雰囲気があって。このとき言いたいなっていうのは結構ありますけど、だじゃ研ではそれを言えますね。ウケはしないですが……ウケるウケないとかそういう問題じゃないですから。言っちゃえばもう、こっちのもんだから! それから個人的には野村さんの曲を演奏できるっていうことが、嬉しいですね。尺八、箏、ちくわ、鍵盤ハーモニカなどのための『ごんべえさん』、あの曲は変拍子で大変でした。第2回定期演奏会のときの『でしでしでし』もかなり大曲だと思いますが、現代音楽を聞いている人にも聞いてもらえたらなと思います。
◆2025年に『千住の1010人』をやろうとしていますが、1010人に向けた意気込みを聞かせてください。
パレードとか、やりたいですね。小学校のとき鼓笛隊でパレードをやったことがあるので! そのときまわりの人はどういう風に聞いているのかな、って気になっていたから。
◆だじゃ研を全く知らない方に向けて、一言お願いします。
バカにしないでください(笑)! 正直、聞く方が面白いよ。
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※1 だじゃれソングワークショップ:皆が出しただじゃれを歌詞に、野村誠がその場で曲にする!というワークショップ(2011年11月)。このプロジェクトで最初の曲「集まれ!風呂フェッショナル」を制作した。「風呂フェッショナルなコンサート」(2012年3月)でも本編ラストにロックンロール・スタイルで披露された。
※2 千住の先住民:名所・旧跡を歩きながらまちにまつわるだじゃれを書き綴ろうと開催した「千住だじゃれウォーキング」(2012年5月)で、まち歩きツアー後、千住四丁目氷川神社社務所にて出し合っただじゃれを歌詞にし、メロディをも一般参加者と決める作曲方法にて生まれた曲。
一日千住の思い
冬はしゃむしょー(社務所)だね
ぜんじそう(地蔵)洗濯機
初めてでも参道
絵馬の前
地震柱に自信バシバシ
千住の先住民
あだち達、がんばります
あだち達、だじゃれます
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