野村誠《帰ってきた千住の1010人》​によせて

 この作品は、2014年に1010人で上演した「千住の1010人」をベースに2020年に作曲した新曲。
 この楽譜は全体を理解するための指示書だが、上演にあたって、細かいところを決めたり、工夫したりする必要がある。
 音楽を楽しんでいるがルールを逸脱してしまうケースについては、厳格にルールを守らせようとし過ぎず、ゆるやかに対応すること。そうした譜面の指示から少しはみだした音、存在がいられる世界こそ、作曲者の望む世界だから。
 様々な国、民族の人々が共演できるように、多言語に翻訳し、シェアできる状況がうまれることを希望する。
 リハーサルの中で、新たなアイディアが生まれたならば、積極的にとりこんで発展させること。
 趣味や思想や宗教や理念などが違う様々な人々が音楽に参加し、意外な形で共演する場が提供できること。そして、真に新鮮な音楽の探究の場になることを願って、作曲した。
 みなさん、1010人での奇跡の音楽を実現させましょう。

 


2020年1月3日 野村誠