Vol.19|鈴木椋大さん
- 千住だじゃれ音楽祭

- 1月20日
- 読了時間: 5分
更新日:24 時間前
今回は、9歳からだじゃ研の活動に参加している、鈴木椋大(りょうた)さんにインタビューを行いました!

撮影:梅田彩華
◆だじゃれ音楽研究会(通称:だじゃ研)に関わるようになったきっかけを教えてください。
9 歳の時、2014 年に足立市場で開催された『千住の1010 人』に参加したのが最初のきっかけです。10 人程度の演奏会なら想像がつきますが、「1010 人」という大規模で行う演奏会はめったにないので、「一体どんなものだろう」と興味を持って、母親と一緒に参加しました。
◆野村さんやだじゃ研の第一印象はどうでしたか?
だじゃ研は、いい意味で「音楽の概念」をぶち壊してくれる存在でした。だじゃれ音楽には決まった楽譜がなかったり、指揮者がいても「自由に音を鳴らしていいよ!」というルールだったり。瓦などの楽器ではないものを楽器にしたりと、他ではなかなかできない経験ができる場所でした。野村さんは当時からとても気さくで、誰に対しても柔らかく接してくださる方でした。ただ、鍵盤ハーモニカを自分の感情の延長や表現の一部として、あそこまで自由に使いこなしている姿には衝撃を受けましたね。「この人、すごいぞ……!」と。
◆これまでのだじゃ研の活動を通した自身の変化や、前回の『千住の1010 人』(2014 年)と今回の『キタ!千住の1010 人』(2025 年)との間で、変化はありましたか?
11 年間を通して一番良かったのは、いろんな物を使って即興演奏することに慣れ、それが大好きになったことです。小さい頃から音楽に触れてきましたが、今、一番楽しいと思える音楽の場所はだじゃ研なんです。あのコロナ禍の時でも、だじゃ研のZoom での活動はいつも楽しかった。
「自由に演奏していい」と言われた時に、とことん自分の好きにできるところが、演奏を楽しめる理由だと思います。小さい頃は太鼓やリコーダーなど慣れた楽器を使っていましたが、気が付けばこの11年で、瓦を叩き、ちくわを吹き、亀の甲羅や昆布を奏で、貝や石を叩き、角瓶でゴルフをして音を鳴らし、綱引きをし、オペラを歌い、トランペットにシャボン玉をつけて吹いてみたり……(笑)。
こうした経験を経て、オーケストラや吹奏楽も一つの音楽だけれど、プロもアマも関係なくいろんな人が大きな輪となって演奏するのも、また一つの音楽なんだと感じられるようになりました。
また、最初は右も左も分からず教わる立場だったのが、11 年経って、だじゃ研メンバーとして新しい人を迎える立場になってきたのも大きな変化かなと思います。
◆りょうたさんご自身についてお聞きしたいです。
小さい頃からレゴにハマっていて、9 歳の時には「自分自身の曲を作りたい」と母親に相談し、iPad で作曲を始めました。小・中・高と創作活動や音楽に携わる中で、3DCG や映像など最先端のデジタル技術も学びたいと考え、デジタルハリウッド大学に入学しました。最近では、令和7年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択され、「電車エレクトロニカ~神戸篇~『阪神電鉄とラジオと街 みんなを乗せていくよ』」という企画を進めています。
かつて「音まち」のプログラム(アサダワタルさんとの「千住タウンレーベル」)では、千住を通る電車と街の歴史を作品にしましたが、今回は震災から30 年の節目に、阪神・淡路大震災で被災した電車からの電波をラジオで受信し、街の記憶を音として伝える作品を制作します。この冬、神戸に20 日間滞在して現地の方々と一緒に作り上げる予定です。その取り組みを東京の方にも知っていただきたいので、活動の原点でもある千住の「仲町の家」で、以前の千住での活動と今回の神戸での活動、両方の展示を行います(※)。ぜひいらしてください!
表現活動においては、「これ面白い、やってみたい」がまず最初にあって、それを突き詰めていくというスタンスは昔から変わりません。人とのつながりも大切ですし、自分の好きなことをずっと続けているからこそ、今までモチベーションを保てているのだと思います。
※電車エレクトロニカ 阪神・千住篇〜記憶の路線図〜
主催:りーるとぅりーる
開催日:2026年2月14日(金)、15日(土)、20日(金)、21日(土)、22日(日) 10時から17時
会場:仲町の家
詳細はこちらから https://aaa-senju.com/p/17500
◆りょうたさんにとってだじゃ研とは?
私自身を育ててくれた、親のような存在です。たぶん、これまで関わってきた活動グループの中で一番長く参加していて、気が付けばもう生活の一部になっています。千住に来れば、藝大があり、だじゃ研がある。母親と一緒に活動していることもあって、だじゃ研は「実家」のようでもあり、「母親」のような温かさがあると感じています。
「これもいいじゃん。これも音楽だね、これも楽器になるんだ!」と、自分の持っていた音楽の概念がすっかり変わったのは、やはりだじゃ研の影響が大きかったです。こういう音楽の形を自分自身がどんどん好きになりましたし、今では「こういう音楽もあるんだよ」といろんな人と共有できることが、とても嬉しいんです。
◆これからのだじゃ研に向けて一言お願いします。
私がだじゃ研に入った時のように、今度は今の小さい子どもたちに「だじゃれ音楽」というものを知ってもらいたいです。これまで、タイ、マレーシア、インドネシア、イギリスなど、海外のアーティストとも一緒に演奏してきましたが、もっといろんな国の人たちと集まって音を奏でることで、だじゃれ音楽が世界に伝わればいいなと思っています。
今回の『キタ!千住の1010 人』でせっかく多くの人に集まっていただいたので、これを一つのきっかけとして、今後もだじゃ研の活動に関わってくれる人が増えたら嬉しいです。練習風景だけ見たら、石や丸太を叩いている人がいて、ちょっと怪しい集団に見えるかもしれませんけど(笑)、「こういう音楽もありなんだ!」と面白がって、かつての私のように、新しい世界にどんどん「沼って」いってほしいですね。
※2025年度に開催した『キタ!千住の1010人』は、東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京とも共催しています。

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